
今日も含め、特に昔は病に冒されることにおそれおののき生活をしてまいりました。病のしわざを悪病神がとりついたものとされ、悪魔払いの儀式が行われました。病や災厄を引き起こすものは「鬼の仕業」と追い出す儀式が「節分」の豆まきです。「鬼は外、福は内」。そのかけ声は「家内安全」への願いそのものでございます。
「福」と「鬼」、それは食事の献立にも表れております。
● 海老の鬼がら焼き・ サザエの網焼き
とげとげがあるので鬼が嫌う。
● 頭の付いた鰯の塩焼き
頭のにおいは鬼が嫌う。
● 大豆の福芽煮
大豆の煮物ですが、特に福に芽が出るように。
● 料理のあしらいは、ヒイラギ
ヒイラギのとげは鬼が一番嫌う。
● 器は、升やみい
穀物を計ったり集めたりする器に入れることで、大福となる。
● 太巻き
福を巻き込み体内に入れると信じられています。
また、ご存知のように鬼の嫌う鰯の頭をとげとげのヒイラギと一緒に紅白のひもにくくりつけて鬼門にさすことで、全ての悪さをする鬼が入り込まないとされております。
家康公は江戸城に入ったとき、江戸の安全安泰を守る為、江戸城に脇にあった神田明神を、お城の表鬼門に当たる現在の場所に移築し、その後、家光公はその延長線上に「上野寛永寺」「日光東照宮」をお祭し、江戸の安泰を願い、何と三百年近い栄華を築きました。 現代においても東京は世界屈指の大都市、それらから垣間見ますと、豆まきはまんざら迷信どころの話でもなく、見えない悪を押さえ込む大きな力があると信じます。何か一つでもご家庭・職場において行われてはいかがでしょうか。
大福長久の願い
ウィシュトンホテル・ユーカリ
総料理長 喜多夏雄